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ぼんくら on the run


凡暗日記

11月24日

新しい薬のせいで眠気と倦怠感がひどい。
朝、薬を飲んで午前中はずっとうつらうつらしながら、時には二度寝して
しまう。これで本当にうつが治るのかと不安になる。

11月25日

三年前に期限の切れたレンタルビデオ店の会員券を更新し、DVDを何枚か借りる。
あとで気がついたがすべて昭和30年代の邦画で統一されていた。
東映が任侠ものを作る以前に制作していたギャング映画「暗黒街最後の日(昭37)」を
見る。鶴田浩二、高倉健、梅宮辰夫らに丹波哲郎、三國連太郎を加えたオールスター
映画で、クライマックスの阿鼻叫喚の銃撃戦が素晴らしい。敵役の安部徹が実に憎々しくて
よろしい。

11月26日

「危(やば)いことなら銭になる(昭37)」宍戸錠主演のアクションコメディー。左卜全扮する偽札
作りの名人を組織とアウトローたちが奪い合う、というストーリー。浅丘ルリ子が溌剌としていて
可愛い。エレベーターの箱の上に逃げたジョーたちと、上下から乱射されつつの銃撃戦が
面白い。左卜全のカミさん役の武智豊子が滅法可笑しい。
続けて大島渚の「太陽の墓場(昭35)」釜ヶ崎を舞台にした群像劇。ある者は血液を売り、
ある者は身体を売り、またある者は戸籍を売り、必死に毎日をしのぐ煮しめたような貧困と暴力の
町で競いあうように自滅してゆく若い衆(津川雅彦、川津祐介、佐々木功ら)と、渦中にいながら
したたかに生き抜いてゆく炎加世子。時折挿入される夕陽をバックにした変電所や工場の遠景の
カットがいい。こちらにも左卜全と武智豊子が出ていた。

11月27日

「狼(昭30)」 見始めてすぐにつげ義春の「四人の素人」という漫画を思い出したのだが
「切羽詰まった善人たちが現金を強奪する」というモチーフが同じで、この映画からヒントを
得たのだろうかと思った。あるいはさらに前例(例えばアメリカやフランスの映画で)があった
のだろうか。ともかく面白い映画だった。

保険の外交員を食い詰めた中年の男女五人が現金輸送車を襲う、というのが映画の主軸だが、
もちろん新藤兼人の映画であるからテーマは現金輸送車襲撃にまつわるサスペンスではなく、
犯罪を犯すに至ったそれぞれの逼迫した姿と、彼らを逼迫に追いやった社会構造にあるのだが、
なにしろ主犯格の菅井一郎からして小津安二郎の「麦秋」で演じた役柄そのもののような実直、
温厚な紳士で、あとの殿山泰司、浜村純も気弱なおじさん、残る乙羽信子と高杉早苗(戦前の
大女優だが、この頃でもまだ30代後半である)も極貧であることを除けばごく普通の母親で、
これら市井の人々が犯罪に傾斜していく道筋が描かれている。そしてまたしても左卜全が
出ているではないか。

11月28日

高円寺UFO CLUBに水色赤を見に行く。初めて見た生の水色赤は想像の上をゆく迫力と演奏力で、
地元である岡山では三上寛さんと対バンしているようだが、これなら三上さんの歌にも十分拮抗
しているのだろうと思った。ツイッターで知り合い、今日初めて会ったベースの未散ちゃんに開口一番
「タキザワさんて本当にいたんですねえ!」と言われる。わしゃUMAか。
しばし歓談のあと解散。西荻のSAWYERCAFEに行き、井上陽水を聞きながら飲み、コーヨー君と語り合い
3時に店を辞し、ネットカフェに行き眠った。若干躁状態になっているせいか、なかなか眠れなかった。

11月29日
ネットカフェで目を覚ますと、いつも自分が複雑にこんがらかった荷造り用の紐になってしまった
ような気分になる。と、いうわけでなんとかかんとかコマ結びになった気持ちをほぐし
ふと傍らに目をやるとスマホが完全にその機能を停止していた。
バンドメンバーその他と頻繁に連絡を取らなければならない日に狙いすましたように壊れるところが
実に自分の持ち物らしくて苦笑する。とりあえず連絡手段がないことをPCを使って通達して、
「水色赤」のメンバーと待ち合わせた新宿に向かう。

水色赤と落ち合い、さらに当日の対バンであり、彼らと同じく岡山から来た「あいうえお」の
メンバーと合流し、とりあえず昼食を取ろうという話になったが日曜日のランチタイムに新宿で
総勢7名、しかも大荷物のキャラバンを快く迎えてくれる店があるはずもなく、しかもこの日は
花園神社の酉の市ということもあって通りは殷賑を極めている。そこで、立ち並んだ屋台で
各自焼きそば等を贖い、その辺の路上で食べてしまおうということになったが、我々が行き着いた
先はなんと新宿ゴールデン街。その道っ端に座って我々はジャンクフードを食べ、ビールを飲んだ。
他のメンバーはともかく、着物姿で煙管を吹かす未散ちゃんと、革のロングコートに鬱陶しい長髪の
俺が並んで酉の市で浮かれたゴールデン街の路傍に座り込んでビールを煽っている姿は
どう見ても寺山修司の路上演劇の一コマである。

1202a.jpg

無事、昼食を済ませた後、我々のキャラバンはゴールデン街から大久保まで徒歩にて移動。電車を
使うと却って煩雑になると思ってのことだったが、キーボードを背負ったあいうえおのお嬢さん
には申し訳ないことをしたと、あとになって気づいた。

さて水族館に着き、リハが始まり、水族館マスター恒例の「機嫌が悪いわけじゃなくて」で始まる
注意事項を聞き「ああ、俺はこれから水族館で演奏するんだなあ」と妙に感慨深い気持ちになったのも
束の間、トリである我々アネモネちゃんのリハが始まる。久しぶりに本気で声を出したために
咽るわ咳き込むわで会場を埋め尽くした対バンメンバーたちの失笑を独り占めしたのだった。

本番が始まって、トップバッターのあいうえおの演奏に我々おっちゃん組(アネ+ガロ)はぶっ飛んだ。
真摯でアグレッシヴで硬質で柔和で、つまるところ非常に良質なロックだったのだ。ご本人たちは
若いので「ロック」という言葉にどれほどのこだわりがあるかは知らないが、とにかくすでに飲んだくれて
いた俺の目を覚ますような強力な演奏で、大ファンになってしまった。今回はベーシストが急病で参加
できなかったのだが、4人揃った演奏もぜひ見てみたいと思う。

続く東京ガロンヌはこれに触発されたか、今まで見たなかで一番ソリッドで各楽器のバランスも良く
ミキちゃんのヴォーカルも冴えていたし、見ているうちに嫉妬も相まってだんだん腹が立ってきたので、
曲間にトイレに行ってやった。水族館のトイレはステージの奥にあるのだ。

水色赤は前日に劣らぬ素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。このバンドは着物姿で
星形のベースを弾く未散ちゃんの艶やかな姿に目がいきがちだが、ギターの西田君とドラムの
藤井君が演奏者としてもパフォーマーとしてもきちんと拮抗していることがこの日の狭いステージで
演奏する彼らを見ていてよくわかった。

ラストの我々アネモネは前回掴んだ「曰く言いがたいフィーリング」を今回も掴むことができたんじゃ
ないかと思う。実は本番前にうっかり酒と抗鬱剤を一緒に飲んでしまったので結構モーローとしてた
のだが、そんな瑣末なことは呑み込んでしまうぐらいバンドのグルーヴが、特にユウジとカツヨシの
リズム隊が強固になっているな、と思った。今回はカツヨシのドラムが演奏の成り行きを決定していて、
俺とヒロはそのリズム隊の上で好きに遊んでいたような気がする。

終演後、主催者である東京ガロンヌのアベ君はマスターから「今日は聴いててどのバンドもすごい
気持ちよかった、気持ちいいイベントありがとう」との言葉を賜ったそうだ。

俺はと言えば、演奏が終わってビールを買いに行って、五百円玉を手渡したのにマスターが
まだ手を出してるからなんだろうと思ったら握手だった。おまけに肝臓の薬をもらってしまった。

ライブ後の高揚も手伝ってかひとしきり騒いだ後散開し、俺は岡山チームを引率してSAWYERCAFE
に移動し、翌日の始発までの居場所を提供してもらった。ところが俺は程なく昏倒するように
眠ってしまい、未散ちゃんにフォークで頭を刺されていたりしたそうだが、目を覚ました時には
始発間近で、コーヨー君への礼もそこそこにあたふたと西荻窪駅に向かいなんとか始発に
乗り込み、乗り換えの新宿で彼らと別れ、彼らは岡山へ、俺は茅ヶ崎へとそれぞれの帰路についた。

体調のこともあるし、不安もないでもなかったが、終わってみれば上出来の二日間だったと
言っていい。躁状態だったの揺り返しがくるだろうがなんとかなるだろう。
今までだってなんとかならなかったことなどなかったのだ。

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